食事のチカラ〜心と体に栄養を〜

栄養療法や食事など食で心身の不調を改善するために役に立つかもしれない情報を発信していくブログです。

卵もえびもたらこもしらこも悪くない!むしろ摂ったほうが良い?それより注意した方が良い食べ物がありますというお話

こんにちは。今日もご閲覧ありがとうございます!
今回は何かと悪者扱いされるコレステロールについてです。

コレステロールと聞くと人それぞれかと思いますが、とにかく低い方が良い、鶏卵や魚卵、レバーなどを食べなければ上がらない、女性は年齢と共に高くなりやすいので気をつけないといけない、など色々な考えを持っているかと思います。

でも、コレステロールは体にとって非常に大切な役割を持っていて、下げることによって様々な不調を引き起こしてしまうかもしれない、と聞いたらどう思うでしょうか?


まずコレステロールの役割について紹介します。
細胞膜、神経組織を構成する、ホルモンや胆汁酸、ビタミンDの材料となるなどが挙げられ、認知症アルツハイマー病、精神疾患、脳機能の障害といった重大疾患の予防、改善に役立ったり、ホルモンの材料という点では更年期障害(女性ホルモン)、血糖値調整(副腎ホルモン、脳下垂体ホルモンなど)など様々な体の機能の正常化も期待できます。更には、ビタミンDの材料にもなるので免疫力強化(風邪予防、アレルギー、腸内炎症、アトピーなどの改善)、精神疾患改善、骨の強化、耐糖能異常改善、血糖値対策にも期待できるのです。また、個人的に一番大切と考えているのが胆汁酸の材料となるという点で、この胆汁酸が不足すると脂質や脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収が格段に低下してしまうのです。そのため、油っこいものが食べられなくなった、皮膚がガサガサしてきた(ビタミンA)、上記に上げたようなビタミンD摂取により改善できる疾患の悪化、体が酸化しやすい(がんや老化、動脈硬化の原因にも)、血中脂質増加(ビタミンE)、骨の軟化、出血しやすい(ビタミンK)などの問題が起こりやすくなるという問題が発生しやすくなるのです。

ただ、ご存知の方も多いようにコレステロールには大きく二種類(三種類とい考え方もありますが今回はざっくりと)があります。悪玉コレステロールと善玉コレステロールです。問題となるのは悪玉コレステロールの増加によって総コレステロール値が高くなった状態と一般に言われています。悪玉コレステロールが上がると血管に脂肪が蓄積しやすくなり、動脈硬化や様々な循環器系疾患の原因になってしまいます。そのために下げなければと言って、コレステロールの食べ物からの摂取を控えます。ここでストップです。実はコレステロールというのは体の中でその量が調整されていて、割合としては全体の20~30%が食物の影響、70~80%が体内で脂質や糖を利用して作られます。
考えてみてください。コレステロールが多い食品を摂っても20~30%しか影響しないのです。実はあまり知られていませんが、アメリカでも日本でもコレステロールの摂取上限は撤廃されています。昔は卵は1日1個と言われていましたが、これも、うさぎの実験に基づくもので、人間には当てはまらないとして見直されています。むしろ卵は1日3個ほど取るとむしろコレステロール血を改善するという研究(英語ですが参考までに…https://academic.oup.com/jn/article/147/3/323/4669740)すらあります。

ここで更に注目します。70~80%が体内の脂質や糖質を利用して合成されている、と言いましたね。
食べ物から糖質を取りすぎる、つまり甘いものや主食を過剰に摂取することを続ければ、余った糖はグリコーゲン(糖の1種ですね)となったり中性脂肪として蓄積されます。
となれば、むしろコレステロールを下げる為には糖質を控えた方が効果が高い、ということも考えられないでしょうか。以前ビタミンBのお話で紹介したナイアシンコレステロール改善効果が期待されるという研究(参照はこちら)もありますが、これもナイアシンの糖質代謝作用に関係するのではないかと個人的に考えていたりします。

歳をとるほどコレステロールを控えた方が良い、この考え方に基づいて食事をとるとどうなるか予測してみました。
肌はボロボロ、更年期障害は悪化し精神も体も不安定、風邪はひきやすい、腸内環境悪化と消化力低下で、食事(特に大切なタンパク質や質の良い油)は取れないことで栄養不足、骨が弱くなり骨粗鬆症のリスクが高まり、アルツハイマー認知症も進行しやすくなるなどなど…。糖質は食べられるからと白いご飯や柔らかいパン、和菓子、野菜中心の生活をすればそれに拍車をかけ、更に症状は悪化するということもあるかもしれません。

やや攻撃的な書き方になってしまったかもしれませんが、新聞でコレステロールを下げるサプリについて書かれていたのを見て少々気になって書かせていただきました。
コレステロールだけでなく、健康診断で低い方が良いとされている値、今まで信じていた健康常識はどんどん移り変わっていきます。いずれ書く予定ですがタンパク質は体重×2gほど摂ってもよいという話もあります。(むしろそれ位が必要量とも)

今回はコレステロールについて少々分かりにくい点もあったかと思いますがお伝えさせていただきました。
この記事を見た方が少しでもコレステロールを考え直して「コレステロールすごい!意外と悪くないのかも」など考えて、体調改善に役立ててくれればと思います(笑)。

今回も長文でしたがご閲覧いただき本当にありがとうございます。いつもの通りご質問、ご叱責のコメントお待ちしています。よろしくお願いします。